地震が心配だけど、新耐震なら大丈夫?
近年、地震が多いので改めて
旧耐震、新耐震基準建物について解説します!
旧耐震?新耐震はいつから
建築物の耐震基準は、住宅建設などにおける建築基準法によって制定されています
元々、建築基準法は1950年に制定され
現在までに何度か法改正が行われてきました。
1981年(昭和56年)法改正により
1981年(昭和56年)5月31日までに建築確認申請を受けた建物は「旧耐震」
6月1日以降に建築確認申請を受けた建物は「新耐震」とされています。
更に1971年(昭和46年3月)までに建築確認申請を受けて建てられた建物は
「旧旧耐震」と呼ばれ、一般的に旧耐震より耐震性が劣ります。
ここで、日付に気を付けていただきたいのが、建築確認申請日ということです。
上記だと昭和55年8月8日に建築確認申請を受けて
昭和56年6月3日に検査済となっています。
検査済み時点では、新耐震年月日ですが「旧耐震」マンションです
登記事項証明書も気を付けてください。
昭和56年6月3日新築とあります
新築完成時には法改正された新耐震年月日以降ですが、このマンションは旧耐震マンションになります
旧耐震だから危ないマンションだと決めつけるのは早いです
横浜市耐震改修認定を受けて耐震改修工事を行い耐震性を認めてもらうこともできます
旧耐震と新耐震では何が変わった?
旧耐震では震度5程度の中規模地震で大きな損傷を受けない建物(一次設計)
新耐震では震度6~7程度の大規模地震でも倒壊や損傷を受けない建物(二次設計)
としてます。
国土交通省HPに耐震基準の概要がありますので参考にしてみて下さい。
新耐震でも絶対という訳ではありませんが
かなり被害が縮小したことは間違いないようです。
大きな地震履歴の被害状況から新耐震基準により横揺れでは旧耐震と大差はないが
縦揺れによる差が大きく出ました
顕著に見れたのが、阪神・淡路大震災だったようです。
新耐震の鉄筋コンクリート造は倒壊しなかったのですが
旧耐震のビルマンションや木造の建物は倒壊してしまいました。
余談ですが、水道の蛇口のレバーが阪神・淡路大震災以後、逆になったのをご存じですか
地震の際に家具や冷蔵庫が倒れて水害も多かったのです。
以前は水栓のレバーを下に押し下げると水が出ましたが
現在は、レバーを押し下げると水が止まります。
阪神・淡路大震災の被害をもとに水栓レバーが逆になりました。
中規模地震以上では、ガスコンロの火を消さなくてよいのは、ご存じですか。
消しに行く方が危険なのです。
震度5強を感知するとマイコンメーターでガスを自動停止してくれます。
英知ですよね
設備会社のカイゼンがスゴイ!
2000年耐震基準とは
阪神・淡路大震災の被害をもとに2000年耐震基準が設けられました。
鉄筋コンクリート造のマンションなどは、新耐震基準以降変更点はありませんが
木造住宅については2000年に耐震基準に変更点が加わりました。
①地盤に応じた基礎を造ること
必然的に地盤調査が必要になり、不同沈下にならないような地耐力のある基礎工事もしくは地盤改良工事を行わなければなりません。
②柱・梁・筋交いなどの接合部に金物などを使って固定することなり
金具の位置・種類も具体的になりました。
③耐力壁をバランスよく配置し、バランスの偏りをなくすために偏心率基準を定めた。
当たり前の事のようですが、それまで決まりが無かった方が不思議です
個々の建築士や建築工事会社にまかせていたということですかね
まとめ
新耐震基準になってからの震度6~7の地震年表(震度5以下は掲載してません)
■1995年 1月 阪神・淡路大震災(7)
■2000年10月 鳥取県西部地震(6強)
■2001年 3月 芸予地震(6弱)
■2003年 7月 宮城県北部、中部(6強)
■2003年 9月 十勝沖地震(6弱)
■2004年10月 新潟県中越地震(7)
■2005年 3月 福岡県西方沖地震(6弱)
■2005年 7月 宮城県沖(6弱)
■2007年 3月 能登半島地震(6強)
■2007年 7月 新潟県中越沖地震(6弱)
■2008年 6月 岩手・宮城内陸地震(6強)
■2011年 3月 東日本大震災(7)
近県で余震が続く
■2016年 4月 熊本地震(7)
■2018年 9月 北海道胆振東部地震(7)
■2019年 6月 山形県沖地震(6強)
■2021年 2月 福島県沖地震(6強)
※気象庁HPを参考にしています。カッコ内は最大震度
神奈川県でもいつ地震や災害が起きるかわかりませんね
震度6を超えると津波や土砂災害も気になります。
品格法による地盤保証や建物保証、想定地震・津波想定区域・土砂災害などのハザードマップについては別の機会に解説しますね。
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