コロナ禍の区分投資用ワンルームマンションの流通状況を調査してみました
新型コロナウィルスが不動産流通にどのくらい影響したのか。
特に区分投資用ワンルームマンションについて検証してみました。
2020年は、どうだった!?
当社の話ですが、2020年1~3月は例年と変わらず繁忙期でした。
4月に1回目の緊急事態宣言が発令されてからは、
12年前のリーマンショックを思い起こすようにパッタリとお客さんが来なくなった。
緊急事態宣言解除後は、購入需要が減ったようにも思えましたが
新築分譲住宅販売している会社などは、売れ行きは良かったと言います。
一瞬身構えて、仕入れ買取をストップした会社も多かったと思いますが、
直ぐに仕入れ開始しましたね。
都内中心地の不動産会社などは、仕入れがしづらくなって(売る方が少ない)
売り物件が少ないので、逆に高く売れたと言います。(株・不動産バブルでしょうか)
新築マンションは需要減を見込んで販売延期するなどで、
首都圏新築マンション供給戸数は15%減となりましたが、
平均価格は新築中古ともにUP!
単に供給戸数が減っただけで、当初懸念されていた
不動産価格暴落という事態にはなりませんでした。
投資用新築マンションは、新型コロナ以前に東京オリンピックや
インバウンド需要によるホテル用地取得との競合により
新築マンション用地の取得が難しくなり供給戸数は減少傾向。
よって都内23区から近隣県での供給が増えています。
神奈川県はJR京浜東北線の「川崎」「鶴見」「子安」などが
新築投資用マンションが増加傾向で
専有面積も20㎡以下は皆無となり、
23~25㎡の広めワンルーム・1Kが主流です。
投資用中古ワンルーム流通事情
中古ワンルーム流通数
2000年から流通が増加傾向で2000年の流通数が約7000件だったのが、
2006年に15000件と約2倍になり、
2010年には42000件と6倍に市場規模拡大してます。
ワンルーム業者の鼻息が荒い訳です!
問題のある業者も多いですが!
2017年には82000件と過去最高流通数を記録してからは、多少減少してます。
2020年は59000件でした。
竣工年分布は1990年のバブル期マンションの流通数が最も多く、
築後30年のワンルームが売れているという現象ですが、
価格が安く流通しやすいのかもしれません。
流通数エリアランキング
行政区は23区がダントツで、
1位 新宿区
2位 世田谷区
3位 港区
沿線ランキングは、
1位 山手線
2位 京浜東北線
3位 中央線
駅別ランキングは以外にも、
1位 川崎駅
2位 池袋駅
3位 阪東橋駅
3位の「阪東橋」駅はご存じない方も多いと思いますが、
弊社隣接駅でもある横浜市営地下鉄ブルーラインの駅です。
割安感と利回りが関係しているのかもしれません。
阪東橋駅となりの伊勢佐木長者町駅が9位に入っているのも見逃せません。
投資用ワンルームの今後の動向
中古ワンルームは、2000年から2017年にかけて価格上昇し、
2018年以降横ばいからエリアにより若干下落。
特筆すべきは首都圏中古ワンルームは、
2012年から2017年の5年で1.5倍に急騰しているので、
一段落を向かえるのではないかと思われます。
肝心の利回りは、新築物件の賃料相場がこの10年で15%上昇し、
中古物件の賃料相場の水準はほとんど変わらず横ばい。
表面利回りでみると、新築ワンルームは4%前後の利回りに対し、
中古ワンルームは6%前後に推移していることで
新築と中古で2ポイントの差しかなくなってきている。
コロナ禍においても不動産価格は下落していないという事実
インバウンド減少によりホテル建設に歯止めがかかり、
用地取得に消極的になった分、
ワンルームマンション業者が用地取得しやすくなり、
今後新築ワンルームマンション建設が増えることになるかもしれません。
ネガティブなのは、サラリーマン投資家が金融機関から
融資を受けにくくなっていることです。
フラット35をはじめとした投資ローンの不正融資対策が強化されていることによります。
専有面積が広めになってきて、首都圏新築ワンルーム平均価格は3000万前後ですから、
融資がないと購入しづらいのが現状なので、
中古ワンルームに購買客が集まるかもしれません。
横浜の中古ワンルーム流通が増えている原因がこの辺にあるのかも。
投資用ではありませんが、住宅ローン控除対象が税制改正により
登記簿面積が50㎡から40㎡に改正されると
コンパクトマンションの流通が増える可能性もあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事は、東京カンテイ資料を基にしています。
お問い合わせ
INQUIRY関連した記事を読む
- 2024/07/22
- 2024/06/13
- 2024/06/06
- 2024/05/20