住宅建設着工前の地盤調査とは?
どんなに強固な建物を建てても土地の地盤が軟弱では、安心して暮らせませんよね。なので家を建てる前に土地の地盤調査を行うことになってます。
地盤調査とは
家や建物を建てる前に、その土地の地盤がどの程度の建物の重さに耐えられるかを調査することを云います。
詳細な調査によっては、地質や地下水位、盛土の有無などもわかります。
地盤調査は必要なの
一見、問題なさそうな土地や長年地形が変わっていないような地域の土地でも調査は必要です。
建替えの場合でも地盤調査は必要になります。
万一、建物の重さに耐えられない土地に建てた場合には、不同沈下が発生して建物が傾くなどの恐れがある場合に事前に地盤改良などの対策が講じられます。
どうやって調べるの
調査方法は、「ボーリング調査」「SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)」「表面波探査法」「平板載荷試験」などがあります
ビルやマンションを建設する際には、ボーリング調査といって地下数十メートルまで掘り下げるので詳細な地質調査、地層構成確認、地下水位調査ができるので、液状化判定や土壌汚染調査まで行うことができますが、費用が20~30万掛かります。
「SWS試験」が一般住宅で利用されるケースが多く費用も5万前後です。
「表面波探査法」は、2階建て以下の場合に利用するケースで費用も5万以下です。
「平板載荷試験」は道路・擁壁の調査用途に用いられることが多く費用は10万前後です。
SWS試験は、1宅地の四隅と中央の5カ所の地盤に先端がスクリュー状になったロッド(鉄の棒)を機械を使って垂直に回転させながら貫入させる方法です。
JIS規格により1m貫入させるための回転数を計り、地盤の軟らかい、固い、の感じ方を調べます。
1宅地半日程度で調査できます。
いつから地盤調査を行うようになったのか
建物を建てる際に地盤調査を行うようになったのは、実はそれほど前からではありません。
平成10年位までの2階建住宅は、ベタ基礎でもなく布基礎と言って土台の下に基礎がある建物がほとんどだったと思う。
当時木造住宅で地盤調査を行っている建築会社などは、ハウスメーカーくらいだったはず。
1995年(平成7年)に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災後に耐震に関する建築基準が変わって、2000年に品格法による住宅販売会社(売主)による瑕疵担保責任が発生するようになって、新築住宅は引渡しから10年保証しなければならなくなった。
一般の不動産会社や建築会社単独では、10年保証の信憑性が低いので、瑕疵担保責任の為に住宅会社は保険に入ることになり、その保険会社が瑕疵担保責任保険の加入条件として、地盤調査を義務付けたのです。
その為に、首都圏では多くの土地で地盤調査が行われることになり、ほとんどの土地で地盤改良が必要となりました。
地盤調査は法律による義務化ではないが、瑕疵担保責任を負う建築会社は必ず調査依頼します。
問題は地盤調査の結果、土地が軟弱地盤で地盤改良が必要になった時の費用負担は建築主(お客さん)だということです、費用は50~100万掛かります。
余談ですが、木造2階建ては耐震基準の構造計算は不要ですが、木造3階建て住宅は構造計算が必須なので、地盤調査必須です。
そして調査結果によって建物荷重を計算して土地が耐えられる地盤に改良しなければなりません。
更に、その建物を建てるための土地改良を行うので、設計変更して別の建物を建てる場合には地盤改良もやり直さなければなりませんし、将来建替えるときも地中に作った障害物を取り除く作業が必要になるのではと少し心配ですが、目の前の安心が優先でしょうか。
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