分譲マンション管理会社に修繕積立金を持ち逃げされたマンションの売却
不動産って、連鎖があるって信じますか?
家相とは違うけど、運気の良い家と悪い家があるのかもしれません。
新築分譲時から不運続きなマンションの売却
マンション売却を知人を介して依頼を頂いたときの話です。
横浜南エリアでは、〇〇ハイムシリーズのマンションということで多くの方に知られているマンション
平成3年に完成したマンションですが、当時はバブル崩壊真っ只中
施工は大手ゼネコン鹿島建設でも
バス便の不便な立地のマンションなど売れるはずもありません
建てない方がよかったマンションもあります
最初の不運
平成バブル崩壊の影響を受けて
こちらの物件(部屋)は新築完成から2年も売れなかったみたいです。
平成3年に完成して売れたのが平成5年
価格を下げるに下げられなかったのでしょうね
最初の所有者が購入したのは平成5年です
それでも3500万はしたようです
ところが、最初の所有者は購入してから5年後に亡くなります。
次の不運
この亡くなった所有者には相続人がおりませんでした
相続人が居ないからなのか理由はわかりませんが
この所有者は、生命保険に加入していなかったようです
通常であれば、住宅ローンを借りるときに団体信用生命保険に加入しますが加入していなかったようです。旧住宅金融公庫(現フラット35)は保険加入が任意なので入らなくてもよかったのです。
よって、住宅ローン滞納のために裁判所の競売にかけられました
当時は競売の進行が遅かったのか、落札者がいなかったのか
競売開始から3年後にやっと落札されました
管理費も随分滞納したのでしょうね
次の不運
競売で落札したのは、地元横浜で営業する小さな不動産会社
登記簿謄本をみると落札価格が想像できます
平成13年に落札して売却できたのが平成17年
なんと、この不動産会社落札したものの4年間も売れなかったみたいです
不動産事業融資は利息も高く1年単位でしか借りられないので
3回も利息の高い(利息年10%位)不動産融資会社から借り換えをしてます
おそらく落札後に内装リフォームもしたことでしょうし
売値が落札金額と変わらない金額です
相当な赤字になったことでしょう
当時は競売で落札して損することなど滅多に無かったはずですが。
不運は更に続きます
平成17年に上記の不動産会社から買った方が私のお客様です。
新築時から鑑みると人気がなく不運続きだったことがわかります
分譲マンションでは、「管理を買え」と言われますが
購入者は管理会社を選べません
新築分譲マンションは分譲会社の関連子会社などが
管理会社になります。
分譲で利益を得て、管理でも利益を得るわけです
但し、マンション所有者全員で管理組合を結成して
管理会社に管理を委託するというシステムですから
管理組合は管理会社を変更することもできるわけです。
現状の管理会社は抵抗するでしょうし
現実的には障害がいくつもありますが、出来ないこともありません。
9割方は新築分譲時の管理会社のままですが
会社倒産などにより管理会社変更になることもあります
今回のマンションもそのような悲劇が起きました。
平成25年に管理会社が修繕積立金を持ち逃げし営業停止となりました。
そのまま行方不明です
管理会社の代表者は、新築分譲した会社の代表者の家族でした
新築分譲した会社も、同時にかなりの借金をして行方不明になりました。
※このようなことが起きないよう修繕積立金の口座通帳と印鑑を管理会社と管理組合で別々の保管していたり、理事長が変わるたびに口座変更したりしているマンションもあります。
ちなみに2022年4月にマンション管理状況を評価する「マンション管理適正評価制度」が始まるようです。
逃げた社長は、平成バブルの傷痕を20年以上に亘って追われていた
地価高騰によるバブル景気を懸念した当時大蔵省から金融機関に対して
融資の総量規制が出て、不動産向け融資を抑制するよう行政指導がありました。
これが平成バブル崩壊の起因と言われています
しかし、経済を止められないと考えた銀行による迂回融資が続き
今では合併を繰り返して大手行になった〇〇な銀行による迂回融資で
分譲会社と取引のあった資産家地主を通して融資が続いていたようです。
バブル崩壊から20数年経った頃に遅延損害金などの理由で裁判をされ
財産を奪われた資産家と分譲会社に関係があったのかもしれません。
話が逸れましたが、問題はマンション所有者らの管理組合です。
積み立ててきた修繕積立金がなくなってしまい
大規模修繕工事に支障をきたしますし
正常な管理運営が出来なくなります。
結局は、1年後に地元の不動産会社が運営する管理会社に
マンション管理を依頼することになります。
不運を断ち切る
そのような経緯があり、依頼人は住替えを決断しました
住み替え先は近くの建売を購入することになりましたが
自宅は案の定、売り出してもなかなか売れません。
救いは、購入金額が低額だったことです。
競売で落札した不動産会社から落札額に近い金額で購入しているので残債もないとのことでした。
知り合いの買取再販会社に相談したところ依頼人の購入金額に近い金額で買取ってもらえそうなので早速商談に
依頼人も十数年居住して購入金額に近い金額で売れるのであれば納得のようです
しかも、不動産会社が買主になるので契約不適合免責にしてもらえました。
安心して新しい住まいに引っ越せます!
買取再販した会社はリノベーション工事を行って再販売しましたが
販売に苦戦して最終的に利益はほとんど無かったと後で聞きました。
申し訳ない気持ちもありますので、別のプロジェクトで貢献したいと思います。
新しい管理会社に代わってからは管理も正常になりましたので
最終的に購入された方には良い風が吹くことを祈ります。
ちなみに新築分譲した会社と逃げた管理会社は令和2年に破産開始手続きを行ったようです。
随分と時間が掛かったものです
高齢になり、逃げるのも諦めたのでしょうか
マンション分譲全盛期には、相当羽振りの良い会社に見えましたが
わからないものです。
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