中古マンションをリノベーションするのに、いくら掛かるの?
不動産会社が売主の中古マンションだと、
リフォームやリノベーションされている再販売物件が多いですが、
住まいにこだわりがあって、
自分の思いどおりにリノベーションしたい場合に、
リノベーション費用は、どのくらいに考えておけばよいのでしょうか。
最近よく聞くリノベーションって?
そもそも「リフォーム」と「リノベーション」の違いをご存じでしょうか?
「リノベーション」と「リフォーム」は混同されやすく、
住まいを増改築、修繕するという意味では同じですが、
厳密には違いがあります。
一般の方が「リフォーム」「リノベーション」という
言葉の使い方を間違っていても問題ありませんが、
我々住宅業界で仕事をしている者にとっては、
恥ずかしいので、使い分けています。
リフォーム は、老朽化した建築設備や建物を
マイナスから元に戻す意味合いでの、修繕や修復することです。
簡単には、フローリングの張替え、クロスの貼替、
キッチンの交換、トイレの交換などです。
一方、 リノベーション は、修繕・修復だけでなく
プラスアルファ加える意味合いがありますが、まだ曖昧ですよね。
例えば、床のフローリングの張替えだけなく、
床下の給付排水管の交換まで行うような工事で、
リフォームより工事規模が大きくなります。
マンションなら、コンクリート剥き出しのスケルトンまで
一度解体して、コンクリートの箱の状態まで戻して
以前とはまるっきり間取を変えたりして、
新たに建築工事を行うようなことを言います。
ただ、事務所や商業ビル、ホテルなどを一般住宅に変更する工事は、
リノベーションではなく「コンバージョン」と言います。
分かりづらいかもしれませんが、
リフォーム程度の工事しか行っていないのに、
リノベーションと謳っている物件も多数あります。
お客様も、それで納得してしまってることもありますから、
よく工事内容を確認したほうがいいですね。
工事代は実際どのくらい掛かるの?
システムキッチン・システムバス・トイレ・洗面化粧台などの
水回り交換は、商品定価金額が新規交換工事代金の目安です。
工務店やリフォーム・リノベーション工事専門会社などに
見積を依頼すると、商品価格を30%~、
安いところで型落ちなら60%引きにしてくれます。
商品代金に工事代金をプラスした金額が、新規交換代金(材工)となります。
その他解体費や処分費などもありますが、
新規交換代金=商品定価だと考えてよいと思います。
新規交換代金が商品定価を上回っていたら、
リフォーム費が高いと考えられます。
この商品代金は、メーカーのホームページでも確認できますし、
ショールームでも見積書を作ってもらえます。
新商品などは値引き率が悪いですが、
型落ちの在庫があればかなり安く手に入れられますし、
同じ商品でもオプションによって、定価が変わりピンキリになります。
システムキッチンであれば、コンロをIHにするか、ガスコンロにするか、
魚焼きグリルを水無しにするか、両面焼きにするか、
レンジフードをブーツ型にするか、スリム型にするか、
台所水栓を浄水器付きにするか、センサー付きにするか、
キッチン天板をステンレスにするか、人造大理石にするか、
扉の面材をメラニンにするか、鏡面にするか、
壁をキッチンパネルにするか、タイルにするか、
キッチンだけでもメーカー選びから、オプション選びまで
選択肢が数多くあり、定価も50万~200万くらいまであります。
トイレで5万~50万
システムバスで70万~250万
洗面化粧台で5万~50万くらいまで、幅広く商品があります。
リフォーム工事でも、これだけの作業が必要になりますので
リノベーションになると、無限に選択肢が増えてきますので
簡単に費用計算などできません。
リノベーションでも、玄関から室内に入ると通常廊下になりますが
廊下の壁をすべて取り除いてから工事をするのか
壁はそのままで床だけ解体するのかにより
工事代が変わります。
床下は給排水管が通っているので
その部分だけ床下を解体すれば、給付排水管の交換は可能です。
特に費用が掛かるのが天井です
天井解体してコンクリートスラブを剝き出しにして
配管や配線も見えるリノベーションが増えていますが
熱効率は悪くなりますし、天井を元に戻すのは費用が割高になります。
リフォームなら個々の商品金額で目安が出ますし
クロスの貼替なら、㎡/1,000円前後
フローリングなら、遮音性能付きマンション用(L45)で
㎡/13,000円前後というところでしょう。
リノベーションはというと、
大雑把ですが、不動産会社が中古マンション買取って、
再販売するときのリノベーション費用は、㎡/8万円くらい、
天井解体してスケルトンまでやると、㎡/10万円くらい掛かります。
【3LDK】
60㎡ × ㎡/8万 = 480万
48万(消費税)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
528万(税込)
が、リノベーション標準工事費用の目安です。
こだわり工事を追加すると、
【3LDK】
60㎡ × ㎡/10万 = 600万
60万(消費税)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
660万(税込)
といった、ところでしょう。
大手ハウスメーカーやリノベーション専門の工事会社の見積は、1000万以上の工事費も普通にありますので、よく吟味されたほうが良いと思います。
分譲マンションの場合は、スケルトンと言っても出来ない箇所があります、玄関ドアとサッシ窓の交換は共用部分になるので、出来ません。
築年数の古いマンションをヴィンテージマンションなどと謳って、リノベーションを勧める会社もありますが、ドア・サッシの古さや不便さは残りますのでご注意を・・
参考になりましたでしょうか。
金額が見えづらいのは、水回り設備工事よりも木工事の部分ですので、
打ち合わせは念入りに。
小さな工事もご相談承ります。
お気軽にお問合せください。
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