中古住宅を購入して、リフォームするならフラット35がお薦めな理由
中古マンションや中古戸建を購入するときに
売主がリノベーション工事を実施している住宅なら良いのですが、
中古住宅購入後に、自分でリフォームを行わなければならないときに
銀行から住宅ローンを借りた方がよいか、フラット35を利用した方がよいか。
【フラット35】リフォーム一体型が廃止になりました
フラット35(リフォーム一体型)は、
中古住宅を購入してリフォームを同時に行う際に利用できる住宅ローンです。
購入と同時になので、リフォームだけでは利用できません。
特徴としては
1.工事内容に制限がない。
2.工事完了後にフラット35の技術基準を満たせばよい。
3.フラット35Sの技術基準を満たすと利息が引き下げられる。
4.省エネルギー性、耐震性などの住宅の性能を、一定以上向上させる工事を行うと
フラット35(リノベ)を利用出来る。(利息をさらに引き下げられる)
などの特徴がありました。
この制度が令和2年12月末で借入申込の受付けが廃止となりました。
【フラット35】とは
【フラット35】とは、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が
全国の金融機関および保険会社、モーゲージバンク等と提携して
住宅ローン融資を行っています。
アルヒのフラット35が有名ですね。
フラット35は申込本人や、その親族が住まいとして、
新築住宅の建築や住宅購入資金として利用できるものです。
変動金利ではなく全期間固定金利なので返済プランが立てやすい。
団体信用生命保険に加入できる。
(健康上の問題で団体信用生命保険に加入できなくてもフラット35を利用できます)
都市銀行などは団信加入が義務付けられているので、
団信加入できないと融資を断られることもあります。
自営業の方や契約社員の方、収入合算しないと借りられない方なども
受け入れている点が人に優しい金融機関です。
但し、賃貸目的の物件購入には利用出来ません。
投資資金として借入した場合は、不正利用とみなされ
一括返済を求めらることがあるので注意が必要です。
【フラット35】リノベ
リフォーム一体型が廃止になっても
令和3年1月からは【フラット35】リノベを利用することができます。
リフォーム工事金額に制限があり、
B200万以上とA300万以上に分かれますので、
100万だけリフォーム工事を行う場合は、利用出来ないことになります。
あまりリフォーム工事費用を掛けたくないという方は、
利用出来なくなってしまいました。
【フラット35】リノベA・Bの違いは、
Aプランは工事金額300万以上、
Bプランは200万以上のリフォーム工事を行わなければなりません。
Aプランは当初のフラット35金利から10年間0.5%金利が引き下げられます。
Bプランは当初のフラット35金利から5年間0.5%金利が引き下げられます。
AとBでは省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性の
いずれかの工事が行われ(B)、
またはいずれかの基準に適合した住宅(A)であることとされています。
Aの方が工事基準等級などが高くなっている分、金利引き下げ期間が長くなります。
【フラット35】リノベは通常のフラット35と違い、
定められた適合証明検査機関が、現地に事前確認に来て不適合箇所のチェックします。
不動産売買による中古住宅の引渡しを受け売買代金を支払います。
これは正式な融資ではなく、工事完了までのつなぎ融資として借入します。
(つなぎ融資期間「工事期間」の利息は、別途支払う必要がありますが
融資額に含むこともできます。)
指示に従い工事計画書類を作成し、工事許可をもらって工事を開始し、
工事完了時に技術基準チェックシートを作成し、
中古住宅適合証明書の申請を行い、
適合証明検査機関による審査に合格すると、正式な融資が行われ、
つなぎ融資の返済をして、工事代金を工事業者に支払いを済ませると
入居ができます。
銀行から借りる場合に比べて、手続きは煩雑になりますが、
ご自身でリフォーム工事を行う前後に、
インスペクションを行う方はほとんどいません。
【フラット35】リノベは、これらの検査を義務化しているので、
安心してお住まいになれるのと同時に、
不動産売買における契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)の
売主責任の確認を行う事にもなります。
中古住宅の不動産売買時にインスペクションを行ったり、
既存住宅売買瑕疵保険に加入したり、という事例はまだまだ少ないので、
中古住宅流通の促進になると期待できます。
中古住宅の売買契約時に、「付帯設備表」と「物件状況確認書(告知書)」を
売主から告知されますが、
売主自身も気が付かない、分かっていないこともあります。
シロアリ被害や雨漏りがあったとしても、気が付かないこともありますし、
木造3階建て住宅などは、床下点検口がなかったり、
天井裏の点検口のない住宅が溢れていますので、本当にわからないこともあるのです。
事前にインスぺクションすれば売主に責任を問えますし、
不具合箇所を適合するよう工事すれば安心して住めます。
実際にあった最近の事例では、木造3階建のツーバイフォー工法で
天井裏の点検口がなかったので、本当に雨漏りがないのか確認できません。
新築から15年経過しており、そろそろ屋根の葺き替えも検討が必要でした。
ツーバイフォー工法だと、屋根裏に界壁があるので、
各部屋の天井に点検口をつけなければ確認できず、作業が増えましたが、
屋根裏チェックした結果問題は、ありませんでした。
しかし、外壁のサイディングに割れがみつかりました。
部分的なサイディングの張替で検査合格でしたが、
見えづらい箇所だったので検査しなければ見つからなかったでしょうし、
雨漏りの原因にもなります。
壁サイディングのつなぎ目のコーキングも、
切れている箇所が何カ所かみつけていたので、
当初から外装工事も行う予定ついでに、サイディング工事も行えました。
ここで売主に責任が問えるかですが、
売買契約の契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)では
シロアリ被害、雨漏り、給排水の故障、構造の欠陥は、
現時点で見つかっていないので、工事費が増えても
売主に売買代金の減額請求はできません。
中古住宅購入の際は、リフォーム工事にも詳しいか不動産会社に確認するか、
工事会社やインスペクションできる建築士を事前に探しておいて
購入契約前に内覧に同行してもらうのがよいでしょう。
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