
相続した実家や土地が、兄弟などの共有名義になっているケースは少なくありません。
そのとき多くの方が疑問に思うのが
「固定資産税は誰が払うの?」
という問題です。
納税通知書は代表者1人に届くため、
「自分だけが払い続けていて損をしている気がする」「他の兄弟に支払いを催促しづらい」という心理的ストレスについても多くの方が悩まれています。
この記事では、共有名義の固定資産税の仕組みから、放置することで起こる「死亡・相続」のリスク、そして共有名義の不動産の整理方法までを分かりやすく解説します。
共有名義の固定資産税を「誰が払うのか」で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
固定資産税は共有者全員に納税義務がある
結論からいうと、
共有名義の不動産の固定資産税は「共有者全員」に納税義務があります。
ここで知っておきたいのが、法律上の「連帯納税義務」という考え方です。

例えば…
- 兄弟3人で共有名義
- 持分がそれぞれ1/3
の場合、実務上は固定資産税も1/3ずつ負担する形になります。
ただし、ここで注意が必要です⚠
共有名義の場合、「自分の分である1/3だけ払えば責任が終わる」というわけではありません。
もし他の共有者が固定資産税を払わなかった場合、自治体は共有者の誰に対しても税額の全額を請求できる仕組みになっています。
これが「連帯の納税義務」です。地方税法第10条の2で、共有物については共有者全員が連帯して納付する義務を負うと定められています。
なお、実際の納税通知書は共有者のうち1人の代表者宛てに届くことが一般的です。
そのため、代表者がいったん税金を支払い、あとで共有者同士で負担分を清算するケースが多く見られます。
固定資産税の通知は代表者に届く(代表者変更も可能)
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共有名義の不動産では、自治体からの納税通知書は代表者1人に送付されるのが通常です。
そのため
- 代表者が立て替えて払い、後で清算する
- 共有者で出し合った共有口座から支払う
事務上はこのどちらかになりますが、代表者が一人で負担し続けると、将来的に売却価格の分配などで大きなトラブルに発展しがちです。
なお、この代表者は変更することも可能です。
横浜市にお住まいの方は、各区役所の税務課土地担当へ「共有代表者変更届」を提出することで手続きができます。
共有名義でも固定資産税は「安く」ならない
「共有名義にすると固定資産税が安くなるのでは?」と考える方もいますが、基本的に税額は安くなりません。
固定資産税は不動産の評価額に対して課税されるため、名義の人数が増えても税額自体が安くなることはありません。

むしろ、共有者が増えるほど管理の手間やトラブルのリスクが増えるため、税制上のメリットはほとんどないと言ってよいでしょう。
共有名義の場合は、あくまで税額を持分割合で分担するだけという仕組みになります。
共有者が「死亡」すると売却の難易度が跳ね上がる

共有名義の不動産では、共有者の1人が亡くなるとその人の持分は相続の対象になります。
例えば
- 兄弟3人で共有
- そのうち1人が死亡
すると、亡くなった人の持分は配偶者や子どもなどへ相続されます。
これが数代続くと、共有者が10人以上に膨れ上がり、いざ「古い家を売りたい」と思っても、
全員の同意を取るだけで数年かかる…といった事態になりかねません。
横浜市内でも「会ったこともない親戚が共有者になっていて、手が付けられない」という物件が増えています。
「名義がシンプルなうち」に動くことが、最大の防衛策です。
確定申告や贈与税の注意点
共有名義の不動産では、固定資産税の支払い以外にも税金に関する注意点があります。
特に気を付けたいのが「確定申告」と「贈与税」です。
📌 1. 確定申告が必要になるケース

ただ所有しているだけなら不要ですが、「利益」が出た際は要注意です。
- 家賃収入がある場合(賃貸経営など)
- 売却して利益が出た場合(譲渡所得)
💡 ポイント:持分割合で分ける 収入や利益は、それぞれの「持分」に応じて分配されます。
例:年間300万円の家賃収入 ➡ 持分1/3ずつなら、1人100万円ずつ申告
📌 2. 贈与税が発生するケース

「良かれと思って」名義を譲った際に発生しやすいのが贈与税です。
- 「管理が面倒だから」と無償で持分を渡す
- 「固定資産税を払ってくれている兄弟」へ持分を移す
⚠️ 注意! 不動産の持分は、一部であっても評価額が高額になることがあります。「タダで譲る=税金がかからない」ではない点に注意が必要です。
共有名義の不動産は売却して整理する方法もある

共有名義の不動産は、次のような方法で整理することができます。
- 共有者全員で売却する
- 誰か1人が持分を買い取る
- 持分のみ売却する
特に空き家になっている場合は、売却によって固定資産税の負担をなくすという選択も現実的な方法です。ただし、共有名義の不動産を売却する場合は、共有者全員の同意や手続きの進め方など、通常の売却とは違うポイントがあります。
👉 「共有持分は売却できる?同意・相場・リスクを横浜の不動産会社が解説」
また、「売却の手間はかけたくないが、自分の持分と納税義務だけ手放したい」という場合には、共有持分を放棄するという方法も取られます。
👉 「「共有持分の放棄」は早い者勝ち?費用や必要書類、登記の手順を横浜の不動産会社が解説」

なお、共有持分の放棄についても、実際には持分を取得する人に贈与税等が発生する可能性があるため、税理士や専門家への確認が望ましいケースもあります。
共有名義の不動産は、状況によって売却・持分整理・名義調整など複数の解決方法があります。問題が大きくなる前に、早めに整理方法を検討することが大切です。
まとめ
共有名義の固定資産税トラブルは、放置すればするほど「相続」が重なり、解決が難しくなります。「古い家だから売れないだろう」と諦める前に、まずは現状のまま査定に出してみることをおすすめします。
特に横浜では、古い家を解体して更地にするには高額な費用がかかるケースも多いですが、「現状渡し」という選択肢を知っておくだけで、共有者間の話し合いがスムーズに進むこともあります。
👉 「関連記事:【横浜】相続した古い家は現状渡しで売れる?残置物・解体費・契約の注意点」
共有名義の不動産は、時間が経つほど関係者が増え、整理が難しくなる傾向があります。まずは『自分の持分がいくらで売れるのか』『他の共有者にどう切り出せばいいか』を知ることから始めてみませんか?
横浜での空き家・共有名義のご相談は、地域特性を知り尽くしたリアルスクエアへ、ぜひ一度お寄せください。
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