
「家賃収入があると、確定申告ってしなきゃいけないの?」
「青色申告って得だって聞くけど、何が違うのかよくわからない…」
賃貸経営を始めると、避けて通れないのが「確定申告」です。
会社員として給与を受け取っているだけのときには縁がなかったこの手続きも、家賃収入があると、自分で税金を申告・納付する義務が出てきます。
今回は、確定申告の基本と、「青色」と「白色」の違いについて、わかりやすく解説します。
💡 そもそも、確定申告ってなに?
確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)の所得と支出を集計し、所得税や住民税などを計算・申告する手続きのこと。
給与所得のみで、かつ年末調整を受けている人は通常不要ですが、家賃収入が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。
✅ 青色申告と白色申告の違いは?
項目 | 白色申告 | 青色申告 |
認可 | 手続き不要 | 事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要 |
記帳方法 | 単式簿記(簡易) | 複式簿記(または簡易簿記) |
控除額 | なし | 最大65万円の特別控除(※) |
家族への給与 | 経費にできない | 青色事業専従者給与として経費にできる |
赤字の繰越 | 不可 | 3年間の繰越控除が可能 |
※ e-Taxによる提出や一定の要件を満たせば最大65万円、それ以外は10万円の控除になります。
✍ 青色申告のメリットって何?
賃貸経営で青色申告を選ぶと、次のようなメリットがあります:
① 最大65万円の特別控除が使える
収入から65万円を差し引いた状態で課税されるため、税負担を軽減できます。
② 赤字が出たときに繰り越せる
たとえば、修繕費がかさんで赤字になっても、3年以内の黒字と相殺できます。
③ 家族に給与を払っても経費にできる
条件を満たせば、配偶者などに支払った給与も経費として計上できます。
👉 収支が大きく動く賃貸経営では、青色申告の方が柔軟に対応しやすいといえます。
✍ 白色申告の特徴と注意点
白色申告は手間が少ない代わりに、控除や節税メリットは限定的です。
- 記帳は比較的簡単(家計簿に近い)
- 控除がないため、所得税がそのままかかる
- 赤字が出ても繰り越せない
👉「とにかくラクに済ませたい」「利益が少ないから今は控除にこだわらない」という場合には検討の余地があります。
📌 青色申告を選ぶには、事前申請が必要!
青色申告は、開業から2ヶ月以内、または青色申告を始めたい年の3月15日までに
「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
書類は国税庁のサイトからダウンロードできますし、e-Taxでも提出可能です。
✍ まとめ
賃貸経営を始めたら、確定申告は避けて通れません。
「白色と青色、なんとなくのイメージ」で選ぶのではなく、収支の規模や将来の見通しに合わせて判断しましょう。
あてはまる方 | 向いている申告方法 |
節税したい・収支が大きい | 青色申告 |
とりあえず試してみたい・収入が少ない | 白色申告 |
※年の途中で「来年は青色にしようかな」と思ったら、早めに申請だけは済ませておくと安心です。
次回は、第5回「空室が心配…まず何から見直す?」
家賃収入が不安定になってしまう大きな要因「空室リスク」。
そのとき何を見直せばよいのか、順を追って解説していきます。
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