自営業の売上不振により実家を売却することになった事例
税理士さんからのご紹介で、相続した家を売却したいとのご相談でしたが、
訳ありな感じです。
事業廃業で借金返済のため実家を売却することに
税理士さんからのご紹介で
依頼人は登記名義人の所有者ではなく、その息子さんからでした。
父親が他界し数年前に母親が相続し、登記名義人は母親でした。
建物の外壁塗装はしたものの、3年ほど空き家にしていたようでした。
息子さんは結婚後にマンション購入、母親は賃貸に一人暮らし。
売却理由は、父親から継いだ家業の商いが不振なため、廃業するとのことでしたが、
借金があるため、実家を売却して返済したいとのご相談です。
なぜ3年も空き家にしていたのかは、分かりません。
物件調査をして不動産売却査定すると、抵当権設定残額より、500万円アンダー。
1番抵当は仕事上、付き合いのある地域金融機関の信用金庫、
2番抵当は取引先の会社でした。
業界の仕事柄、商品を預けるので担保提供するそうです。
差押えは、ありませんでしたが税金の滞納もありました。
住宅ローンではなく、事業融資の任意売却になります。
不動産担保価値を知らなかったからなのか、本人も母親も呑気な感じです!?
1番抵当の信用金庫は、しっかり担保評価してましたが、
2番抵当の取引先は形式的に担保設定しているだけのようでしたので、
債権残債は分割払いにしてもらうしかありませんが、
それ以上に、私の頭の中は、心配事が・・・
売却代金を全額借金返済するのに不動産譲渡税?
母親が引越してから3年経過しているということは、
マイホーム(居住用不動産)を売った時の特例が受けられない可能性・・・・
そして相続空き家を売った時の特例も受けられないはず・・・
不動産を譲渡した場合には、取得価格(仕入)を求めなければなりません。
相続の場合には、被相続人(亡くなった方)の取得価格もしくは、
譲渡価格の5%を取得価格とする。
所有期間は、被相続人の所有期間を引き継ぐので、
10年超長期譲渡所得にはなりますが、
借金返さないとならないのに、税金を払わなくてはなりません。
特例を受けられれば、不動産譲渡税を払わなくて済みそうですが、
特例を受けられなければ譲渡税だけで、何百万にもなる可能性があります・・・
査定額UPで売却
土地面積が、87.60㎡で第一種低層地域内の容積率80%地域。
総床面積が、土地面積の80%までという地域なので、
約70㎡の建物、戸建で2LDKを作る人はいないでしょうから、
小さめの3LDK位しか新築できません。
土地の評価としても若干魅力弱め。
建物は築40年を超えており、外観は塗装しているものの内装は古いままです。
建物評価をどのくらい見れるか。(解体費でマイナスもあります)
そして、隣地に廃墟。
良い点は地形が整形地というところですが、
少しでも債務を減らすためには、高値売却しなければなりません。
隣地と交渉しながら、並行して高めの価格設定で売却開始!
狭小地の場合は、隣地に買ってもらうのが一番良いのですが、
今回は難しそうなので逆に買取交渉するのも良い手です。
築45年超えの建物を、中古戸建として売却しようとしているので、販売苦戦。
リノベーション工事を行っている建築会社さんが、
モデルハウスとして興味を持ってくれましたが、
キツイ値段交渉があり交渉不成立。
売却期間3か月を過ぎたところで、隣地の交渉が成立しそうでしたので、
隣地と一括で土地購入してもらえそうなお客様を探すことに!
隣地の土地と合わせると、53坪の非常に良い整形地になり、
近隣の高級分地に引けをとりません。
当初査定額より300万UPでの売却成功!
不動産譲渡税を賄えるくらいにはなりました。
不動産税制は毎年変わります。
是非、事前相談を行ってくださいね。
不動産表示
所在:藤沢市
JR東海道線「辻堂」駅徒歩18分
土地面積:87.6㎡
建物面積:70.3㎡
間取:3DK
構造:軽量鉄骨造2階建
築年:1974年(昭和49年)築
会社概要
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