不動産査定書のミカタ

 

不動産会社から査定書を取り寄せたら、どう判断したらよいのか?

査定書の中身

不動産会社によって査定書は様々です。

A4用紙1枚もあれば、30ページにもなる分厚い査定書もあります。

大手不動産ほど分厚い傾向ですが、厚みに意味はありません。

権威と豪華さを表現したいのかもしれませんが、重要なことはそれほど書いてはありません。

投資用でなく居住用の不動産査定の場合は、取引事例法もしくは原価積算法を用います。

中古マンションであれば主に取引事例法中古戸建はどちらも参考に使います。

投資用不動産では収益還元法も取り入れます。

最近は、AIによる簡易査定ソフトが査定書を作ってくれるので、それだけで15ページ位の査定書になりますが、これも実は頼りになりません。

確率の低いデータも取り込まれるので、そのままではお客様には出せませんので、補正がかなり必要になります。

査定書の内訳は、

・あいさつ文
・目次
・概要
・売却の流れ
・付属資料
・地図類
・路線価

などの役所関係資料

・売出事例
・成約事例
・査定額

になります。

本当は4~5枚も資料があれば充分な査定書ができるんですが。

不動産査定書はなぜ無料なのか?

不動産査定は2種類あります。

①不動産鑑定士が作る不動産鑑定評価書
法的な効果もあり、裁判所に提出するときや、相続の遺産分割など税務署などに提出する際に効力があります。
そのため数十万以上費用が掛かります。(有料) 

②不動産会社が作る不動産査定書
机上査定と実地査定があり、無料です。

普通に売却するだけなら不動産会社の査定書で十分で、不動産会社が査定を無料にしているのは売却の依頼が欲しいから、しかも専任で任せて欲しいからです。

成約になれば成功報酬として仲介手数料がもらえるからです。

そのためにわざと高い査定書を出す不動産会社もありますが、適正価格とかけ離れていては売れません。

また自社で買い取ろうとして安い査定を出す会社もあります。

どちらも適正価格ではありません。

売却依頼をする会社の決め方

売却依頼する会社を3社程度に絞ったら、実際に訪問査定をしてもらいましょう。

机上査定では本当の適正価格は出せません。

現地も確認せずに確度の高い査定はできません。

室内の使用状況、眺望、日当り、建物設備の劣化・不具合などを加味して、加点減点しながら、適正価格を出します。

訪問査定の際に担当者の人柄なども見て置くことも忘れずに。

相性も重要です。

正式な査定書が出来たら、査定価格の根拠を確認する。

根拠がハッキリするほど査定の精度が高く、早く売れる確率が高くなります。

最低売却価格、高めに売り出すならチャレンジ価格、売却期間、販売方法戦略なども聞くようにして1社に絞ります。

1社に専任媒介で任せるのが基本です。

数社に競わせて、などと考えない方が良いです。

逆効果になることが多いです。

一般媒介で数社に依頼してよいのは、高値売却を狙わずに、最初から適正価格で売りに出す場合なら、早期売却になることもあります。

あとは余程希少な物件の場合です。