
横浜・藤棚商店街の近く、車通りのある道沿いにぽつんとたたずんでいたパン屋さん。
「ムカヰベーカリー」という、地元で長く愛されてきた老舗です。

店内には、コロッケパンや焼きそばパン、あんぱんにサンドイッチなど、どこか懐かしいパンがずらり。
どれもふっくらモチモチで、素朴な味わいにほっとできる、そんなお店でした。


私のお気に入りは、フレンチトースト。
「今日は違うのにしてみよう」と思って行っても、店頭に並んでいると、つい手が伸びてしまう。
程よい甘さとやさしい食感が、何度食べても飽きませんでした。
先日、お昼用に買おうと思って、朝のうちに車で立ち寄ってみたんです。
ところが、シャッターが閉まっていて。「あれ、今日は臨時休業かな?」と思いながら翌日も行ってみたら、また閉まってる…。
気になってネットで検索してみると、そこには「2025年3月31日 閉店しました」の文字が。
え…閉店?
スマホを見たまま、なんとも言えない気持ちになってしまいました。
ムカヰベーカリーさんは1930年創業。
パンのおいしさはもちろん、店員さんの「お目当てのパンがなければ聞いてみてくださいね」というやさしい声かけも、店内のあたたかな雰囲気も、どこか昭和の空気を残していて、とても好きでした。
最近、閉店のお知らせを見る機会が増えたように感じます。
この先も、好きだったお店や、通い慣れた場所が少しずつ減って、思い出に変わっていくのかもしれません。
ムカヰベーカリーさんのフレンチトースト、もう一度食べたかったな。
もう買いに行くことはできないけれど、ふとパンのいい香りに包まれたとき、また思い出すんだろうな、と思います。

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